難易度・弾き方・練習のコツを解説!
1. 全体の難易度 3(中級)
ソナタですが、ゆっくりで音が分かりやすいため、大人の初心者でも弾けます。3。
オクターブのつかみが出てくるため手のサイズが小さな子どもには難しいです。
曲全体を弱音が支配しているので、美しく弾く場合は音量コントロールのテクニックが必要です。
2. 第一部
1. 和声の移り変わりの「間」で表情を!
和声の移り変わりの「間」を意識すると、音楽に驚くほど表情がつきます!!
曲全体のテクニック的な難易度は低いですので、ピアノ初心者の方も、是非一度チャレンジください!!
「間」は長過ぎても音楽の流れが止まってしまいますし、短過ぎてもあっさりしてしまうので、一番良いタイミングを見つけてください。
音源に合わせたり、間が入るタイミングで「ウン」と心の中でとなえたりなどして、感覚をつかんでいきましょう。
2. 左のバスは全て「5」の指番号でも
楽譜では、「同じ音内での指替え」や「黒鍵の4」など、レガートの指番号を記載しました。
しかし、ペダルを使えばレガートの問題は解決しますので、バスは全て「5」でも大丈夫です。
ピアノ初心者には全て「5」の方がカンタンだと思います。(分かりやすいと思います。)
1. 「5」で弾く場合は音が飛び出ないように
全て「5」で弾く場合は、手首の「上げ」「下げ」で弾くことになるので、音が飛び出ないように注意してください。
※ 「4」と「5」を使った移動の方が、比較的ゆったりとした移動がしやすいとは思います。試してみてください。
3. 16分音符は八分音符の真ん中に
「ソ♯ーソ♯ソ♯ー」の16分音符には6連符の指示はありませんが、8分音符の3連符の中央に入れる形で大丈夫です。
4. ソプラノを出すために支えを5の指に
全体的に5に近づけて弾くと、指がそれほど強くなくても上の音が出しやすくなります。
小指で手の重みを支えて、手首をある程度の高さに保ち、下の音を浮かせながら弾く、という形です。
「ソ♯ーソ♯ソ♯ー」の2回目のソ♯は、手を縮めることができるので、右手を上の方に持ってくると弾きやすいです。
5. 右手の届かないところは「下の音を省く」「左手で弾く」の選択肢も
届かないところは「音をずらす」という方法もありますが、3連符がこの曲全体のイメージを支配しているので、ずらすと違和感があるかもしれません。
「下の音を省く」「左手で弾く」という選択肢を残しておきたいです。
6. 16・18小節目の強弱。まずは外声で
クレッシェンド、デクレッシェンドの記号が真ん中についていますが、 まずはソプラノとバスで強弱をつけて練習すると弾きやすいです。(内声は静かなまま)
音源では2回目のバスを更に強調することで、聴き手を引きつける工夫をしています。
7. 12小節目の内声の変化を出す【出来たら】
出来たら・・・内声に変化がある部分も表情をつけてみましょう!
3. 第二部~コーダ
1. テーマに変化を持たせる工夫も
繰り返されるテーマに少しでも変化をつけると、聴き手を引きつけることができます。
音もソ♯からド♯へと高くなり、やや小さめにすることで、遠くの方で音が鳴っているイメージになります。
2. 難しいカデンツァは音名を先に覚える、指使いも工夫を
ブラインドタッチができる上級者の方にとっては難しくないかもしれませんが、ピアノ初心者にとっては難関です。
1個ずつ音を読んでいては「どのように指の幅が変化するか」がなかなか覚えられません。
先に音名を覚えた後、指の幅を丁寧になじませていきましょう。
※ ここでは、ピアノ初心者の方を念頭に「ファのダブルシャープ」を「ソ」を表記しています。
「速く」「通して」「間違えながら」ではなく『ゆっくり』『短い範囲でくぎって』『確実に』が基本です。
ここは指使いも悩ましいところだと思います。
ここでは、覚えやすさも十分考慮して、手のつかみが「4・2・6」「4・2・6」「4・2・4・2」「4・2・4・2」の指使いを記載しました。
どのような指使いでも大丈夫ですが、最初にキチンと決めることが大切です。
3. 第一部と「逆の変化」による工夫も
感情が高まる山の部分。
音源では、第一部と第三部では強弱関係を逆にすることで、聴き手を引きつける工夫をしています。
4. ハーフペダルで響きを減衰させる【出来たら】
ハーフペダルとは、ペダルを完全に踏むのではなく「薄く」踏むことです。
ピアノの前に座って、ペダルをほんの少しずつ離していきましょう。
音がピタッと止まらずに少しずつ減衰してゆくと思います。
ここでは曲の最後を例に紹介しますが、曲中でも多くのところで工夫できると思います。