難易度・弾き方・練習のコツを解説!

1. 全体の難易度 4(中級上)

ツェルニー30番~40番、ソナチネ終盤~ソナタレベルです。
右手のオクターブの連続、左の和音もオクターブの4和音があることから、手のサイズにより弾きやすさが変わります。
16分音符の速いパッセージがあるので指の独立が必要ですが、繰り返しが多く譜読みはしやすいです。

2. 冒頭(A~B)

1. 16分音符を軽やかに

「指を下げる」『打鍵』(だけん)だけでなく、ここでは「指を上げる」『離鍵』(りけん)も意識しましょう!
素早く指を上げることで、鍵盤を押している時間が短くなり、モーツァルトらしい軽やかなタッチで弾けるようになります。
(スタッカートまでしなくても大丈夫です。)

MEMO

「離鍵」を意識すると、指先に集中することにつながり、音の粒も揃いやすくなります!

2. 装飾音は「手の形」を作って回転がカンタンです!

装飾音はゆっくり入れると全体のテンポが崩れるので、素早く入れましょう!
弾き方のコツは指で「ソ」「ラ」「シ」を1音1音弾くのではなく、「ソラシ」に『123』の指をセットして3の方へクルッと手首を回すことです。

MEMO

なお、モーツァルトの時代の曲は「装飾音の最初の音」を「拍の頭」に合わせるのが基本ですが、 この曲は(テンポが速いことから難しいこともあり)装飾音を前に出しているピアニストが多いです。

3. 3度のコツ

「指を立てて」音のタイミングを合わせましょう!

指先が寝ていると和音を同時に鳴らせないことがあるので、指を立てて(目的は鍵盤にあたる指先の感覚を鋭く感じることです!)弾きましょう。

上の音を出しましょう!【もし出来たら】

この曲もそうですが、3度や6度では多くの場合は上の音がメロディーとなります。

余裕があれば、指先を完全に揃えるのではなく、下の音の指を浮かせ、上の音の指だけが底まで打鍵されるようにしましょう。
メロディー(上の音)が美しく浮き立つようになります!

4. 左で躍動感を出しましょう!

左手で躍動感を出すために、バスの音にほんの少しのアクセントをつけ、他の音を軽く(小さく・短く)弾きましょう!

5. オクターブの弾き方のコツ

1. オクターブは1の指を見て弾きましょう

「オクターブの幅」を手の感覚で覚え、弾くときは1の指を見て弾きましょう!

2. オクターブに4の指を使うメリットについて

オクターブで黒鍵に4の指を使う理由としては・・・

  • 54・45の指替えによるレガート(ここはスタッカートなので関係ありません。)
  • 手首の移動が少ないため、音を外しにくくなる

・・・という2点です。
初心者の場合は4を使わず、1と5だけで手の幅を固定して弾いた方がカンタンだと思いますが、慣れてきたら是非チャレンジしましょう!

3. オクターブの上の音でラインを作りましょう【もし出来たら】

オクターブを弾くときは、ただ音を出すのではなく、「上の音」でラインを作るようにしましょう。
曲調にあった輝かしい響きが得られます!

小指を立てると「ある程度の音量」を出すことはできます。
しかし、ふつうは小指の第一関節・第二関節はあまり強くないので、(クッションになってしまい)フォルテのラインを作るのが難しい場合もあります。

そのような場合は、小指をピンと突き立てると、小指の音をもっと輝かせることができます。

注意!

この方法は音量が大きくなりすぎる場合もあります。よく聴いてチェックしましょう!

4. オクターブの上の音が出ているかチェック!

どのような弾き方でも良いのですが、 大切なのは狙った響きを出すことです。

「両手でオクターブを弾いた響き」(このとき高い音を強めに出すこと)と「右手だけでオクターブを弾いた響き」を比較して、同じ響きを得られればOKです!

3. 中盤(C~コーダ)

1. 「ド♯レド♯シラシラソ♯~」の16分音符の練習方法

1. 音名を先に覚える

16分音符が続く難しい部分です。

オススメの方法は先に音名を声に出して言ってみることです。
スラスラ覚えて言えるぐらいになったら、「音を言いながら」弾いてみましょう!
歌うと「意識」「声」「指」がくっきりつながって分かりやすく感じるはずです。

※ このように練習すると、「指が違う音を弾いた時」「転んだ時」に自然にチェックしやすくなり、スラスラ弾けるようになります。

注意!

ピアノ初心者を念頭に「ミ♯」を『ファ』と書き込みましたが、「ミ♯」を『ミ』と読める方は是非そのように歌ってください。

2. 指使いも決めましょう!

上の楽譜の通りでなくても大丈夫ですが、指使いを最初に決めることが大切です。

全指番号楽譜もご参考にどうぞ!

2. 「ララシシド♯ド♯」は下の音でラインを作りましょう!

前半の「ラ・シ・ド#ー」の部分は、上の音を輝かしく出すと言いましたが、 ここは上の音が裏拍になってしまうので、下の音でラインを作るのが自然です。

オクターブに4の指を使うメリットで紹介しましたが、こちらも4を使った方が手首の移動が少ないため外しにくくなります。

3. ほんの少しの間で「到達・達成」のイメージに近づきます【アイディア】

ほんの少し間を入れることで「到達・達成」を表情を出すことができます。
毎回やってしまうとくどくなるので、ここぞ、というところで使いましょう!

4. 手を右に寄せて「和音の上の音」を出しましょう!

上の音を出すと、和音は更に華やかに輝きます!
小指で大きな音を出すのは難しいのですが、こちらを参考にしていただいたり、一番上の音の時に手を右に寄せるなどして工夫してください!

5. 難しい装飾音はほぼ同時でも。手をギュっと押し込む感じで

ずらす場合、指で弾くのは難しいので(出来ても音量が小さくなってしまいます。)「手そのもの」をギュッと押し込む感じで弾きましょう!

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